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雨漏りの原因

ラバー工法による雨漏り

一時、訪問販売などでラバー工法というものが流行しました。「瓦のズレを直し雨漏りさせない」という触れ込みでシリコンを瓦と瓦の接点に塗りつけるというものです。しかし、ズレは治まりましたが、2~3年後に雨漏りが発生したという苦情が殺到しました。原因は、シリコンをしたことで、雨水の逃げ道を塞いでしまったのです。写真では地瓦や棟の瓦にシリコンがされております。通常、雨水が少しぐらい瓦の隙間から入っても、外へ逃げるように施工されています。しかし、シリコンによって、その逃げ道を防ぐのですから、雨漏りが発生するのは当然です。ひどい状態になると、完全に瓦をシリコンで塞いでしまい、内側の通気性を妨げていることもあります。また、このような施工を行っているのは瓦が本職でない業者がほとんどですから、仕事もいい加減です。同じラバー工法でも、施工は瓦専門業者に任せるべきです。

谷板からの雨漏り

写真でわかるように、谷板に穴が開いています。瓦の低いところに雨水が集中し、雨垂れが落ちますから、その下に当たる箇所に穴が開いています。昔は銅板の谷板が多かったので、長年の酸性雨などにより腐食し、このようになるケースが多く見られます。最近はこのような状態の場合、ステンレス製の谷板に交換しています。銅板のように穴が開きませんから、長期間安心です。

棟からの雨漏り①(漆喰の剥がれ)

メンド漆喰が剥がれ落ちていますが、原因の一つは、棟の瓦から雨水が入ってきて、中の土が湿っている状態が継続し、漆喰や土が徐々に剥がれ落ちるというものです。この場合は、直ぐに棟の積み直しが必要です。万一、棟を積み直さずに、漆喰だけ塗り直してしまうと、棟から入った雨水が塗り直した漆喰によって外へ流れなくなり、今まで以上にひどい雨漏りになります。いま一つは、長年の経年変化により漆喰が剥がれたり色が黒ずんだりしている場合があります。もし、棟の瓦の施工状態に問題がなく、雨漏りがしていないのであれば、少々の剥がれは、さほど気にする必要はありません。どうしても漆喰をされるのであれば、瓦の専門業者に依頼することです。瓦のことを知らない業者に頼むと、雨漏りの原因になる場合があります。

棟からの雨漏り②(コケや草木)

棟から苔や草木が生えています。これは、棟の中が湿っている状況で、棟の瓦の隙間から雨水が入り易い状態です。棟も年数が経過すると、中の土が痩せてきたり、風雨や地震などによる影響から、徐々にのし瓦の勾配が緩くなってくる場合があります。そのことによって、雨水が外側へ逃げにくくなり、湿った状態が常態化することによって、このようにコケや草木が生えていることがあります。これも放置しておくと雨漏りの原因となります。

 

棟からの雨漏り③(漆喰の塗りすぎ)

棟に面戸(メンド)漆喰が塗られていますが、写真では、とても分厚く塗られているのが分かります。雨水の侵入を防ぐためですが、このように分厚く塗るのは素人工事です。漆喰に雨水が直接降りかかり漆喰の劣化を早めるとともに、それに伴い漆喰が水を吸うようになり、棟からの雨漏りの原因になります。漆喰は、水を通さないと思っている方がいるようですが、それは新しく塗り上げた時期だけであって、古くなってくると透水性が高まってきます。また、美観的にも問題があるため、プロの職人であれば、このような施工はしません。

正しい漆喰の塗り方の写真では、漆喰の表面が、のし瓦の内側に納まっているのが確認できます。

(正しい塗り方)

谷の漆喰から雨漏り

谷板と瓦の間に白い漆喰が見えます。谷からの雨水を瓦の下へ流れ込まないように堰き止めたつもりで施された漆喰ですが、これが雨漏りの原因になります。漆喰が新しいうちは良いのですが、時間がたつと、雨を吸収したり、また漆喰が剥がれ、雨樋などを詰まらせ、これが雨漏りを起こしたりします。ですから、漆喰が雨水を通さないという考えは最初のうちだけです。蔵などに施されている漆喰仕上げの白壁などは、時間をかけて数回の重ね塗りをしているため、簡単に雨水は通しませんが、瓦工事の場合は、余計な漆喰を施すことは、雨漏りの原因になるものです。

瓦の凍害による雨漏り(凍て)

瓦が細かく剥がれています。これは、割れているのではなく、「凍害」という状態です。なぜ、このようなことになるかと言いますと、瓦も土でできていますから、僅かではありますが、水を吸収します。夏はすぐに乾いてしまいますが、冬は、吸収した水が瓦の内部で凍ることによって、体積が増えます。そのことによって瓦に剥がれを生じさせるのです。特に寒い地域や屋根の北面などに起こりやすいです。寒い地域でも「凍害」しにくい瓦がありますので、地域により、適切な瓦を使用しなくてはいけません。破損した細かい瓦などが雨樋などに詰ったりするようなことがあれば、凍害を疑ってください。

水切り板金が入っていない雨漏り

左の写真は、壁際に新しいL字型の板金(水切り板金と言います)を入れて補修しています。右側の写真が瓦をめくる前の写真で、壁ののし瓦の漆喰部分に苔が生えてきています。ここから雨漏りが発生していました。瓦をめくると左の写真の水切り板金が入っていなかったのです。もし、この水切り板金が入っていれば、仮に壁際から雨水が入っても、水切り板金を伝って雨水は軒の方まで流れ、雨樋に入ってしまうので、雨漏りの発生は起こりませんでした。水切り板金を入れなかった手抜き工事が原因です。この壁際の上に大きな庇等があり、この部分に雨水があまり当たらないのであれば、仮に水切り板金を入れなくても雨漏りは起こりにくいでしょうが、最近の家は庇も短いので、やはり、水切り板金は不可欠です。

(水切り板金を設置した状態)         (水切り板金が入ってない)

 

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